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2006 年度 実績報告書

回転体乱流境界層中のらせん渦構造の同定と解明

研究課題

研究課題/領域番号 17560141
研究機関岐阜大学

研究代表者

山下 新太郎  岐阜大学, 工学部, 教授 (20023236)

研究分担者 渡辺 崇  名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40182927)
井上 吉弘  岐阜大学, 工学部, 助教授 (00176455)
キーワード三次元壁乱流 / 回転体 / 組織構造 / 境界層 / らせん渦 / 間欠係数 / スペクトル
研究概要

本研究は三次元壁乱流の最も基本的なモデルであり,体積力や付加歪み速度を伴う複雑乱流の一つとして,軸流中の回転円筒上のねじれた速度分布の乱流境界層の動的組織構造を実験的に調べ,特にその中のらせん渦構造を同定・解明しようとするものである.
本年度では,まず円筒回転時におけるねじれた平均速度分布と変動速度分布を熱線流速計により測定した。そして,運動量厚さに基づくレイノルズ数を一致させた上で,平板乱流境界層,円筒静止時,および2種類の回転速度の円筒について,対数速度分布,欠損速度分布,変動速度分布の比較検討を行った。対数速度分布については,本研究者らによって過去に提案された法則により整合性よくまとまることが示された。一方,外層の乱流組織構造の基礎となるべき欠損速度分布は,平板乱流境界層に対する法則を含むこれまでの各種の提案ではやや適合性に欠けることが示された。変動速度分布も平均速度分布と同じ外層の尺度ではまとめ切れず,さらに検討を要することが明らかとなった。
外層の乱流組織構造を調べるための第一段階として,扁平度と間欠係数を調べた。扁平度は平板,静止円筒,2種類の回転速度の円筒について,平均境界層厚さ程度まで一致していた。間欠係数もこの4者はほぼ一致し,扁平度と間欠係数によって回転円筒特有の組織構造を捕らえることは困難であることが判明した。そこで次に変動速度のパワースペクトルを調べた。平板と静止円筒の場合,周波数の増加とともに単調に減少するスペクトルを示すのに対し,円筒回転時にはスペクトルにバンプが発生し,回転速度が大きいほどバンプが生じる周波数が高いことが示された。これは回転円筒乱流境界層の組織構造が,スペクトルにその特徴が現れるほど規則的なものであることを示すものであり,円筒に巻きつく形態のらせん渦構造であることを裏付けた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 三次元壁面噴流に関する実験的研究(発達域における横断面内の流れ場)2006

    • 著者名/発表者名
      井上 吉弘
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集(B編) 72・724

      ページ: 2940-2947

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 形状の異なるノズルから噴出させられた噴流の近傍構造に関する実験2006

    • 著者名/発表者名
      井上 吉弘
    • 雑誌名

      日本機械学会流休工学部門講演会講演論文集 No. 1701(CD-ROM)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 壁せん断乱流の外層構造に関する実験的研究(平板境界層と平面壁面噴流)2006

    • 著者名/発表者名
      井上 吉弘
    • 雑誌名

      日本機械学会流休工学部門講演会講演論文集 No. G905(CD-ROM)

  • [雑誌論文] 軸流中の回転円筒上乱流境界層の実験(外層の整構造)2006

    • 著者名/発表者名
      山下 新太郎
    • 雑誌名

      日本機械学会2006年度年次大会講演会講演論文集 Vol. 2

      ページ: 417-418

  • [雑誌論文] 三次元壁面噴流の大規模流れ構造に関する可視化実験2006

    • 著者名/発表者名
      井上 吉弘
    • 雑誌名

      可視化情報学会全国講演会講演論文集 26・suppl. 2

      ページ: 329-330

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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