研究課題/領域番号 |
17560166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
川口 靖夫 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 教授 (20356835)
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研究分担者 |
河村 洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80204783)
瀬川 武彦 産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 研究員 (50357315)
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キーワード | 流体工学 / シミュレーション工学 / 省エネルギー / 抵抗低減 / 乱流モデル |
研究概要 |
A)粘弾性流体のDNSによるパラメータスタディ 現在保有している粘弾性流体解析用DNSコード(2次元平板間流れ用)を点検し、目標とする範囲でレオロジー的パラメータを変化させられるようにコードを拡張した。乱流モデル構築の基盤データとなる乱れ統計量の収支を計算した。統計量の収支には、通常の流体の乱れエネルギーに現れる、生成・消散・速度圧力勾配相関、乱流拡散・粘性拡散項の他に粘弾性項がある。レオロジー的パラメータのうち、βを固定してWe数を5種類、Weを固定してβを3種類変化させて計算を行った。また比較のためニュートン流体についても計算を行った。その結果、Weの増加、βの減少によって同じように摩擦抵抗は減少するが、乱れエネルギーの収支からみるとそのバランスは異なること、粘弾性項はほとんどの場合エネルギーを消滅させる作用をもつが、Weが大きくなると壁の近傍でエネルギー生成の作用をもつことがわかった。今後粘弾性項と乱流渦の挙動との関係についてさらに検討を加え、流体の弾性がエネルギー蓄積・放出を行う機構について調べていく。 B)粘弾性流体のレーザ計測 既設の水路に光学的測定が可能な長方形断面(高さ40mm,幅500mm)のテストセクションを設置し、PIV測定を試みた。画像記録用カメラの感度とデータ処理用ソフトウエアの性能に限界があったため、壁近傍において詳細な乱れ変動強度分布は得られていないが、水路中央部において平均速度は妥当な値を示した。その付近では乱流渦の瞬間的挙動も得られており、今後装置の改良を加えながら乱れエネルギーの収支を評価するためのデータを蓄えていく計画である。
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