研究課題
わが国ではバイオマス資源が約3500万トン、年間発生する廃プラスチックが約1000万トン存在する。利用用途のないバイオマスや廃プラスチックの多く、約8割が焼却や埋め立てによって処理されているのが現状である。リサイクル促進の観点からこれらを新資源として見つめなおし、木質バイオマスと廃プラスチックを中心に、再利用の実用化へむけて熱分解過程を検討した。酸素のない条件でバイオマスを熱すると、500℃以下では主にオイルを、600℃以上では主にガスを生成させることができる。また廃プラスチックは、熱分解により都市ガスやガソリン等に相当する燃料を生成させることのできる隠れた資源である。そのため、廃プラスチックの再資源化については、すでに事業の実用化にたどりついている企業もあり、さらなる発展が見込まれる分野である。バイオマスと廃プラスチックを同じ条件の設定温度570℃の場合に絞って比較してみた。留出液とガスの総量に対する留出液の割合でみると、プラスチックに比べ杉はガスの割合が多く、この条件下では液化よりもガス化に有利見える。しかし生竹に関しては留出液の割合が多く、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)よりも割合が高く残渣も少ないので、液化に有利である。堆肥については残渣が多く、どちらにもあまり向いていない。次に、回収物についてバイオマスから得られた留出液はどれもオイル分はほとんど含まれず、木酢液状のものであった(竹では留出液中に約8%のタールを回収した)。固体残渣はカーボン分が多く含まれる。一方ガスについては燃焼温度が低く、この条件での回収物においては燃料としての利用は見込まれないことが明らかになったが、バイオマス単独では実現しにくい燃料化や化学原料化もプラスチック等の廃棄物との組み合わせ処理によって新たな化学原料化の可能性が見えてくると考えられる。
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Feedstock Recycling of Plastics
ページ: 371-379
6^<th> World Conference on Experimental Heat Transfer, Fluid Mechanics, and Thermodynamics(ExHFT-6),
ページ: 1-8