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2005 年度 実績報告書

電解還元を利用した氷蓄熱に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17560174
研究機関東京工業大学

研究代表者

大河 誠司  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60201373)

キーワード熱工学 / 結晶工学 / 確率論 / 理論核物理 / 電解水 / 核生成理論 / 過冷却 / 凝固
研究概要

ダイナミック型氷蓄熱は,近年,エチレングリコールなどの水溶液を用いるものが主流となってきている.しかし,廃棄の際の環境に与える影響などを考えた場合,水溶液の使用はなるべく避けたい.そこで,水を用いたダイナミック型氷蓄熱システムという方法がある.一般に用いられているものは,まず水を過冷却状態にし,その後伝熱面から離れたところで凍らせる方法である.しかし,その場合,輸送管内などで偶発的に閉塞してしまうという問題が発生する.システムが一旦閉塞すると,全体を常温まで上げて氷をすべて融解させないと再起動することができない.本研究では,電解水を用いることにより凝固を制御する可能性を想定し,イオン濃度の違いが過冷却解消過冷度に与える影響について検討を行った.
水の純度は比抵抗値で1.0と18.2Ωcmの2種類,体積は0.5,1,5mlの3種類,イオン濃度は6.0,7.0,8.0,9.0の4種類を準備した.過冷却水の凝固は確率的な現象であるため,それぞれの条件下で実験を多数回行い,その平均値と分布状況を比較の対象とした.なお,冷却速度は0.25K/minの一定値とした,その結果,特に純度の高い場合,イオン濃度が中性から離れるほど,過冷却解消過冷度は増す傾向にあることが分かった.従って,電解水はイオン化している分,平均クラスターサイズが通常の水とは異なるという本研究者の仮説が実験的に裏付けられた.さらに,過冷却解消過冷度とクラスターサイズとの関係について考察を行い,イオン化に伴いクラスター表面においてプロトンジャンプが通常の中性の水より頻繁に起こることにより,通常の状態では温度低下に伴いクラスターサイズが増加するべきところが,本状態では抑圧されて核生成し難い状態が保たれ,結果的に過冷却解消過冷度が増加する,という凝固メカニズムを提案し、固液界面エネルギーを用いた核生成のモデル化を行った.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 電解水を用いた水の凝固に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      大河 誠司
    • 雑誌名

      2005年度日本冷凍空調学会年次大会講演論文集 B111

      ページ: 1-4

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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