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2005 年度 実績報告書

温度センサ応答補償理論の確立と実用化への展開

研究課題

研究課題/領域番号 17560183
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

田川 正人  名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (80163335)

キーワード計測工学 / 流体 / 温度センサ / 周波数応答 / 応答補償 / 温度変動 / 時定数 / 熱電対
研究概要

本研究の目的は,応答が遅い汎用の温度センサを,独自の周波数応答理論とディジタル信号処理を用いて応答補償することで,「丈夫」で「速い」センサを実現し,その適用範囲を飛躍的に拡大することである.これに関する技術はこれ迄にもたびたび提案されているが,実用化には遠い.実用化を阻む最大の原因は,センサの応答特性が測定対象の物性(たとえば水や空気),流速,汚れといったセンサ周囲の状態によって大きく変化することである.このため,動特性の校正データを用いて応答補償できる場合は極めて限られる.本研究の目標は,センサ周囲の状態によらず高い精度と信頼性を発揮する応答補償技術を確立することである.本年度の実績は次のとおりである.
(1)熱電対,抵抗線という測定原理・形状・応答特性が大きく異なる温度センサの周波数応答を統一的に表す理論解を導出し,その妥当性を実験的に検証した.この解を利用して,抵抗線の周波数応答に見られる特異性(低周波数域での利得低下)の同定とその補償に成功した.(2)周波数領域での応答補償法には多くの利点があるが,高速フーリエ変換に固有の問題がその適用範囲を狭めている.本研究では,この問題を回避する信号処理法を提示し,その有効性を実験的に検証した.(3)細線熱電対の周波数応答理論を,熱電対を構成する2つの素線の物性の差異を正しく反映できる形式に拡張し,素線物性が周波数応答に及ぼす影響を明らかにした.さらに,被覆された細線温度センサの周波数応答の理論解を導出し,被覆の有無が周波数応答に及ぼす影響を正しく予測・評価した.また,最も単純な1次遅れ系で応答補償できる条件を明確にした.(4)周波数領域での相互相関係数(コヒーレンス)を評価規準に用いてセンサ時定数を推定し応答補償する方法を開発し,計測ノイズに対してロバストであることを実験的に示した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 固体内部温度場の周波数応答を効率的な数値解析法2005

    • 著者名/発表者名
      水野 望
    • 雑誌名

      熱工学コンファレンス講演論文集 05-17

      ページ: 303-304

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 温度センサ応答補償における信号処理とその改良2005

    • 著者名/発表者名
      加藤 健次
    • 雑誌名

      熱工学コンファレンス講演論文集 05-17

      ページ: 357-358

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 細線温度センサの応答特性と応答補償2005

    • 著者名/発表者名
      田川 正人
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集(B編) 71巻・706号

      ページ: 1663-1670

  • [雑誌論文] Response compensation of fine-wire temperature sensors2005

    • 著者名/発表者名
      Tagawa, M.
    • 雑誌名

      Review of Scientific Instruments 76

      ページ: 094904(10pages)

  • [雑誌論文] 圧力測定系周波数応答の数式モデルと相互比較2005

    • 著者名/発表者名
      貝吹 和秀
    • 雑誌名

      第6回流体計測制御シンポジウム講演論文集 05SY0010

      ページ: 1-4

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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