研究課題
1.Joule-Thomson効果実験装置の改良前年度製作した実験装置と別に、新たに長さ300mm、外径10mm、肉厚2mmのSUS304テスト管とそれを収納する長さ300mm、外径76mm、肉厚2mmのsus304、製真空容器(1kP以下)を製作した。テスト管には、絞りとしてガラス粒子(平均粒子径0.2mm)を充填したものとストップバルブを使用したもの2種を用意した。2.Joule-Thomson効果の測定および理論モデルとの比較上記装置を用い、供試流体としてJoule-Thomson係数が正、ほとんどゼロ、負の3種類のガス-二酸化炭素、窒素、水素-を用い、入り口圧3-7bar(gauge)、流量0.4-10Nl/minの範囲で実験をおこない、絞り部前後の温度差、および充填粒子群については、壁温分布を測定し、理論モデルと比較した。充填粒子群の場合、今回の装置では、層厚が、300mmと小さいために圧損が小さく、そのため検知された温度変化が小さく理論と比較できなかつたが、絞り弁の場合には、前後の圧力差が大きいほど、温度変化がおおきく、また、流量が大きくなると、温度変化が一定値に近ずくことがしめされた。また、提案した温度変化についての理論モデルとの十分な定量的な一致が確認された。3.Joule-Thomson効果を利用したスポット型LSI冷却実験LSI Packageを模擬して直径50mmの一様熱渡来加熱条件下の伝熱面上に、材質(NI-Cr、Ni、Ag、Cu)、空隙率(0.86-0.96)、PPI(8.5-111)、厚さ(0.5-19mm)の異なる16種のセル状多孔体を設置し、その上にさらにフランジつきノズルを載せて、窒素、二酸化炭素で噴流冷却した。二欧化炭素の場合、Joule-Thomson係数が正であるため、圧力降下があれば、冷却効果が見込めるが、多孔体部における圧力降下は、最大でも0.5barであるため高々0.5Kの温度低下しかみこめないので、ノズル上部に絞りを設置した場合の効果も検討した。実験の結果、絞りを設置しない場合、多孔体を設置しない場合に比較して本実験範囲で最大約70%の伝熱促進が達成される、また、炭酸ガス冷却の場合、ノズル上流に絞りを設置すれば、上流側圧力5bar(gauge)の条件下で。絞りのない場合に比較して、最大で約100%の伝熱促進が達成されることが示された。これにより、炭酸ガス冷却で絞りつきノズルをもちいれば、180W程度の発熱量の場合でも十分LSI冷却が可能であることが推論された。
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第44回日本伝熱シンポジウム講演論文集 Vol. 2
Proceedings of the 2^<nd> International Heat Transfer Conference on Porous Media and Its Applications
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Journal of Thermophysics and Heat Transfer Vol. 21
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Proceedings of 13^<th> International Heat Transfer Conference, Sydney, Australia JET-13
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