1.前年度に開発したスカラ系の場合に続いて行列リカッチ型微分方程式の厳密離散時間化に成功した。いかに大きな離散時間間隔を用いても、誤差のない解を得ることができるようになった。この結果は雑誌論文に投稿中である。 2.前年度行った1次の非線形微分方程式の線形化条件を拡張し、さらに一般的な非線形微分方程式に対して線形化が可能であるための十分条件を導出した。ラグランジ型偏微分方程式として与えられるこの条件を1次と2次の場合について特に詳しく検討した。また線形化された方程式を離散時間し、厳密離散時間化を行い、シミュレーションによりその有効性を示した。 3.可積分でない非線形系の精密離散時間化手法としてデルタ型離散時間モデリング手法を1次系に対して昨年度研究したが、今年度はこれを2次系に拡張した。特に、ファンデルポール型の2次非線形系を離散データからパラメータ同定する手法では、従来の形式を利用した場合よりも精度の高い結果を得た。 4.昨年度に実施した空気ジェットを用いた浮揚体および回転体の姿勢制御実験結果は2編の論文として2008年5月に国際学会で発表することになっている。
|