研究課題
基盤研究(C)
本研究は多自由度系の制振を容易に行うためのパッシブ制振器の開発を目的にしている。具体的には、パラメトリック励振型動吸振器またはオートパラメトリック吸振器ともいわれる振子式動吸振器を利用する。この種の動吸振器は、その固有振動数が主系の固有振動数の1/2になるように調整することにより、主系の共振付近の振動に対して制振効果を発揮する。このとき主系の共振付近でのみ振子が発振し、それ以外の振動数では振子は振動せず、静止状態にある。したがって、1次共振、2次、3次、・・・などのように特定の共振用に調整された動吸振器によってそれに対応する共振のみを制振することが可能であり、かつ他の次数の共振には影響を与えないので、他の動吸振器の動作を妨害しない。この種の動吸振器の適用範囲を拡大するため、支点回りに回転ばねを持つ振子式動吸振器を開発している。重力を利用した振子では振動方向及び振子寸法の制限があり、適用範囲が限られることが多い。支点回りに回転ばねを持つ振子について、支点が振動変位する場合のパラメトリック共振を調べ、パラメトリック励振型動吸振器として利用可能であることを示している。つぎに3自由度系を製作してその1次共振と2次共振を対象に制振を試みている。1次共振振動数の半分の固有振動数を持つ振子系を1次共振用の動吸振器、2次共振振動数の半分の固有振動数を持つ振子系を2次共振用の動吸振器として設置し、その動作特性と制振効果を確かめる実験を行っている。結果として、各共振状態においてはそれに対応する動吸振器のみが動作し、系の振幅も減少することが確認されて多自由度系の制振が容易に行えることを明らかにしている。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
日本機械学会北陸信越支部第43期総会・講演会講演論文集 067-1
ページ: 221-222
日本機械学会 機械力学・計測制御部門講演会論文集 No.06-7 (CD-ROM)
Proceedings of 43th Nihon Kikaigakkai Hokurikushinetsh-Shibu Soukai-Koenkai 067-1
Proceedings of Dynamics & Design Conference, CD-ROM 06-7