研究概要 |
平成19年度においては一台目のマニピュレータの性能について実機による各軸の運動制御の検討を行いスケールモデルシミュレータ(SMS)シミュレーションによる実験結果と実機による実験とを比較して性能評価を行った。また二台目のマニピュレータの製作を完成し,この稼働実験を行った。実機による実験の前に,UAVシミュレータから得られた航空機の飛行データを取り込み,Open GLを用いて作成したグラフィックシミュレータにより,SMSが設計通り稼働することを確認した。次にこの取り込まれたデータをSMS実機に与えて,稼働実験を行い,実機の性能評価を行った。二台目のマニピュレータについては局部的に当初予期していなかった大きな荷重がかかり摩擦が大きくなることが分かり,この改修を行っているが,稼働範囲を制限した場合は設計通り稼働することが確認できた。当初の計画ではオペレータがUAVシミュレータの画面とSMS先端に取り付けた航空機を見ながら操作性を確認するのが目的であったので,UAVシミュレータと2台のSMSとのインターフェースを設計し,それぞれのチャンネルについてインターフェースの確認を行った。必要機材の納品の遅れが主因となって実機の製作が遅れたために,全てを統合しての実験は今年度に間に合わなかったが,平成20年度以降に継続してUAVの空中給油を対象としたシミュレーション評価を実施する。ここでオペレータはUAVシミュレータのUAV(受油機)から観察した給油機の二次元画像のみを観察して給油を行う場合と,これと併せてスケールモデルシミュレータ(二台のマニピュレータ)に搭載されたUAV,給油機の三次元運動を観察して給油を行う場合と操作の容易度を比較検討する。スケールモデルシミュレータにより空間認識が容易なため,より操作がしやすくなれば,当初の目的が達成されると考える。実機製作に注力したために,本研究についての学生の卒業論文,修士論文は執筆されたが,本年度の学外研究発表は1件にとどまった。
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