研究概要 |
平成18年度は,平成17年度に開発したブリージングクラックを有するはりの混合型変分原理に基づく解析手法を日本機械学会主催のDynamics and Design Conference 2006にて発表した.また同じく平成17年度に開発した,前記の解析法を応用したはりに対するブリージングクラックの検出法について,測定データにノイズが含まれる場合等についてさらに詳細に検討し,その有効性を数値シミュレーションにより確かめた.この結果は日本機械学会主催の第5回評価・診断に関するシンポジウムにて発表した.さらにその後,開発したはりに対するブリージングクラックの検出法の有効性を実際のはりに対して確認するための実験を行った.実験では鋼製のはりを製作し,はりに細い切込みを入れた後,その切込みと同じ厚さの薄い鋼板を挿入することでブリージングクラックを模擬した.このはりを加振し,加速度計およびひずみゲージにより応答を測定し,この実験データを用いてクラックの検出を試みた.その結果,開発した検出法で精度良くブリージングクラックを検出できることを確かめた.またはりに対するブリージングクラックの検出法を,配管系に代表されるようなフレーム型構造物に対する手法へと拡張を行った.前記の混合型変分原理に基づく解析手法は拡張性が高く,フレーム型構造物に対しても大きな変更はなしに,はりに対するものと同様の手順でブリージングクラックの検出が可能である.拡張されたブリージングクラックの検出法の有効性を数値シミュレーションにより確認した.この結果は,国際会議International Congress on Sound and Vibrationにて発表した.
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