研究概要 |
1 地震時では連結車両の車体、台車、輪軸の構成要素がストッパを通して互いに激しく衝突することが考えられるが、multibody dynamicsにより、この非線形の衝撃現象を考慮した1車両あたり31自由度で最大16両の連結車両の非線形運動方程式を誘導し、その衝突時に安定して応答計算が可能となるための、ストッパの力制御による時間増分内の効果的な反復計算のアルゴリズムを明らかにした。 2 地震時の繰り返し荷重によって、橋脚などのコンクリート部材は局部的に塑性変形し、履歴依存でその変形が進行する。この繰り返し荷重によるコンクリート部材の弾塑性挙動を効果的に表現するための、3次元トリリニア履歴依存弾塑性結合要素の開発を行った。 3 地震時での高速走行時のレールと車輪の幾何形状を考慮した、車輪のレール上でのすべり、飛び上がり、衝突、および脱輪の接触衝撃挙動を表現する力学モデルの理論定式化を行った。 4 地震時の高速走行中の車両と軌道構造間の連成振動・衝撃解析では、大規模モデルとなることから、大規模な非線形運動方程式をモーダル法を用いて効果的に解くための理論定式化と数値計算アルゴリズムの設計をおこなった。 5 軌道位置によって異なる地震波の入力手法の定式化を行い、テストプログラムを作成しその有効性を確認した。 6 上記1,2の研究成果の一部は、2005年9月にパリで開催の、鉄道動力学に関する国際会議Structural Dynamics Eurodyn 2005で論文発表を行った。また、2,3について、チェコ応用力学研究所でのFryba教授等とのシンポジュウムで発表し、討論を行った。
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