研究概要 |
本研究では,遠隔操作型のロボットマニピュレータが対象物を安定して把持し操作できるような制御系の設計を目指す.そこで従来のインピーダンス制御系の構成を修正し,同一構造で「位置制御」「力制御」「インピーダンス制御」を容易に切り替えることができる「修正インピーダンス制御系」を提案する.本年度達成された研究実績は以下のとおりである. 1.人間の左右腕の働きをするように配置された双腕型ロボットマニピュレータシステムの構築を行った.このシステムでは,ロボットコントローラとホストPCの間でイーサネット通信ができるようにした. 2.それぞれのマニピュレータの手首位置に6軸力・モーメントセンサを取り付け,力・モーメントセンサから入力されたデータの計測精度の確認を行った. 3.ホストPCにおいて,(1)操作者からの指令値を受けとるために用いるジョイスティックからの信号入力,(2)力センサからの信号入力,(3)ロボットコントローラとの通信,の3つのプロセスを並列処理するプログラムを作成した. 4.ジョイスティックにより操作されたマニピュレータの指令値どおりに,双腕型マニピュレータが動作することを確認し,2台のマニピュレータによる物体の搬送実験が成功した. 5.2台のロボットマニピュレータを至近距離で動作させると衝突する危険がある.そのため生成された軌道が適用可能か否かをシミュレータにより事前判断できることが望ましい.そこで,複雑な運動学を計算し,その結果をCGにて確認できるようなロボット動作シミュレータを作成した.これにより,いろいろな関節角度軌道に対するロボットの姿勢を確認し,あるロボットの軌道を用いた際にマニピュレータが衝突しないかを確認できるようにした. 一方,本年度の計画において修正インピーダンス制御法の実験までは達成できなかったので,来年度の初期に実現したいと計画している.
|