研究概要 |
筆者は小流量の測定が可能な流量センサとして層流形比例素子(Laminar Proportional Amplifiers以下LPAと略す)を用いたLPAフィードバック発振流量センサについて17年度に引き続き,特性実験,最適化の検討及び発振周波数の解析を進めた. 1)特性実験 流量センサの形状(主ノズル幅、フィードバック流路の長さ、幅,アスペクト比及び入力部寸法等)の寸法を種々変えた多数の流量センサについて,流量と発振周波数特性実験を行った. 2)最適化の検討 特性実験により寸法形状と特性(流量と発振周波数特性,形状と発振周波数特性)の関係を検討した.本研究では空気を作動流体としたが,発振下限の低下のために主ノズル幅及び形状を縮小することには限度があること,また流量測定の動作範囲を拡大するためにフィードバック流路の長さは重要であることなどがわかった. この特性は作動流体の粘性に影響されるが空気の場合,主ノズル幅は0.3mmが限度であり,得られた測定最小流量は0.7cc/sであった. 3)発振周波数の解析 発振周波数とセンサを構成する形状と寸法には密接な関係があることがわかり,信号伝達の流路を4部分に分け検討した. 主ノズルからスプリッターまでの部分が発振周波数の約60%,フィードバック流路の部分が約20%を占めていること,またフィードバック流路は圧縮波の伝達として信号伝達がされていることもわかった.この特性は寸法を相似に製作した流量センサにおいては同じ傾向があり,形状の相似性も確認できた.
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