研究課題
基盤研究(C)
次の4項目について研究成果が得られた。(1)RFIDを用いた移動ロボットのガイダンスの研究オドメトリーによる自己位置同定は累積誤差が生じ実用に耐えない。そこで天井に設置した複数のIDタグと通信し、そのタグを同定するとともに、検出時刻の差分を用いて、ロボットの位置と姿勢の推定を行った。誤差のある初期状態から始め、前後移動と誤差修正動作を繰り返すことにより10cm程度の誤差で収めることができた。ロボットにセンシング軌道の計画機能をもたせることにより、タグの検出領域の自動計測を行った。Bayesの理論などの確率的手法に基づき、RFIDの電波の不安定性などに起因する誤差の分析を行い、操作性と信頼性に優れたガイダンス方式を導いた。(2)RFIDとTVカメラを用いた移動ロボットのガイダンスの研究IDタグを部屋の数箇所に設置することにより、建物内部でのロボットガイダンスを行う実験を行った。カメラを用いることにより、2cmオーダーの位置同定を実現した。また、曲がり角や直線移動区間の中間点にIDタグを配置することにより、部屋内でのガイダンスが可能であることを示した。(3)ピックアップ作業のためのRFIDを用いた環境認識の研究RFID情報を、Bayesの理論に基づき統計処理し、対象物の存在する領域を精度良く推定する方法を与え.実験でその有効性を確認した。(4)ピックアヅプ作業の研究RFIDで粗く位置検出された対象物を、ステレオカメラで認識し、精度の良い位置推定を行う方法を開発した。IDタグには、それが貼付されている対象物の識別番号だけでなく、その対象物のプロパティ、すなわち、形、色、寸法などの情報を書き込んでおく。これにより、画像認識するための有用な情報を得て、効果的に処理を進めることが出来ることを実験的に示した。
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