研究概要 |
本研究では,高感度と高剛性を両立できる新しいセンシング原理,すなわち歪拡大メカニズム原理を考案し,高剛性的かつ高感度的に力をセンシングする方法の確立を目的とする.この新原理は,力とロボットの間は剛性の高い弾性体と剛性の低いセンサ弾性体を並列的に繋ぎ,大部分の力を高剛性の弾性体に通らせそこの微小な歪変形を低剛性のセンサ弾性体によって拡大されて力をセンシングする. 本年度には高剛性を有しながら感度を拡大できる歪拡大メカニズムの原理を理論的に解明し,理論的解析結果に基づいて,3つの並進力と3つの回転力をそれぞれセンシングできる高剛性・高感度な6軸力覚学センサの設計方法の確立およびその設計を行った. 1.歪拡大メカニズム原理の理論的基礎の確立: 高い剛性かつ感度の拡大を実現できるための歪拡大メカニズムの幾何学的構造に関して力学的解析を行い,高剛性と高感度を両立できるカセンシングの構造を確立した.その結果,設計の段階で,力の各軸方向の感度(または感度拡大率)を要求の通りに調整できる構造とその各部間の力学関係を解析的に解明した. 2.歪拡大メカニズムを用いた6軸力覚センサ設計方法の確立: 上の解析に基づき,要求された,衝撃を耐えられて制御に良好な動特性をもつ剛性および制御に良好な線形性と静特性を有する感度を実現でき,また力の各軸方向になるべく一様な剛性と感度でセンシングできるような6軸力覚センサの設計方法と要求仕様に基づくセンサ構造の最適設計方法を確立した. 3.6軸力覚センサの設計: 望みの剛性と感度に基づき,上の設計方法を用いて6軸力覚センサを設計した.ここでは,要求仕様に基づいて各軸方向のセンシングが互いに干渉にならないように最適な設計に工夫をした.
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