研究概要 |
遠隔地にいる複数のユーザがバーチャル空間を共有しながら作業を行う協調作業支援システムでは、作業者が装着するヘッドマウンテッドディスプレイや位置・角度センサなどが、円滑なコミュニケーションにおいて重要な役割を果たす、うなずきや身振り手振りなどのコミュニケーション動作を抑圧している可能性が高い。本研究では,対面でのコミュニケーションにおける身体性の共有に着目し、申請者らがこれまでに開発してきたコミュニケーション動作を音声のみから自動生成する音声駆動型インタラクションロボットInterRobotやその電子メディア版である音声駆動型身体引き込みキャラクタInterActorの技術(iRT)を仮想空間でのコラボレーション支援に取り入れ、より円滑に協調作業ができる協調作業支援システムの開発を目的としている。本年度は,日常生活に着目し,天候や時間などの条件に拘束されないバーチャル空間を利用したグループウォーキング支援について検討を行っている。ウォーキングなどの運動状態では,ユーザは基本的に身体を動かすためヘッドマウントディスプレイや各種のセンサを装着することが困難である。そこでセンサを運動器具に装着し,ユーザの運動を計測している。またインターネットを利用して,遠隔地のパートナーと会話しながらの実験では,遊歩道とユーザのアバターのCG画像と同時に,足音を効果音として提示することで共存在感の創出を行っている。またアバターに上述のiRTによるコミュニケーション動作を取り入れることで,パートナーの存在をより感じることができることが統計的解析により明らかとなっている。
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