研究概要 |
本年度は,成型加工方法と制御アルゴリズム,回路の開発を行い,各要素技術について研究を進めた.具体的には本研究以前に開発したレーザ加工による電極パターンを有する2次元マニピュレータの視覚フィードバックシステムに対して,2次元空間内での位置,姿勢制御のため,7関節を持つ人工筋肉によるヘビ型の遊泳ロボットを例として,その屈曲形状の動的な応答を、材料力学における梁の曲げ運動の解析手法を用いてモデル化し,運動方程式の解法として固有空間法を用いたモード展開の方法を提案した。さらにこの手法を用いたシミュレーションと、実際の屈曲形状を測定し、パラメータ同定を行った結果と比較して,本モデル、および解析手法の有効性を確認した.またこれを大変形に対して適用するための近似解法について検討した. 一方,人工筋肉の制御回路の設計に関して、従来のアナログ制御よりも高効率なPWM制御の適用について検討した。そのため、まず人工筋肉の電気インピーダンス応答を調べてモデル化を行い,分布定数系を特徴としたインピーダンスモデルを提案して,実際の測定結果との比較を行ってモデルの有効性を確かめた.またこれに基づいて人工筋肉の特性にあった高効率なPWM制御方法を発案し,その有効性について基礎的な実験を行って検討を進めた. 最後に人工筋肉の3次元化について検討を行い,複数の人工筋肉片を組み合わせて自在な3次元運動を可能にする3次元マニピュレータの全体構造を設計した. 低摩擦ゲルを用いた積層化については、基礎的な検討を行い、またプレス加工については実験機器の整備を行って、実際の開発についての準備研究を進めた。
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