研究概要 |
電界センサとして微小モノポールアンテナ,磁界センサとして微小半ループアンテナを作成し,すでに開発しているフィールド変換3アンテナ法により,センサの特性である複素アンテナ係数を測定した.また,センサ(受信アンテナ)の出力から増幅器を経由して波形観測装置(高速オシロスコープ)までに至る特性を表す透過SパラメータS_<21>を測定した.方形半ループアンテナ(送信アンテナ)を既知の電圧波形を持つパルスで励振し,上記の複素アンテナ係数と透過SパラメータS_<21>を用いて,センサ(受信アンテナ)の出力から逆フィルタ法(デコンボリューション)により,発生した電界・磁界波形を再生した.また,そのとき発生する電界・磁界をモーメント法とFDTD法により理論的に計算した.この結果,再生結果と電界・磁界の計算結果とがほぼ一致し,波源近傍での測定(波形再生)が十分な精度を持つことが確認できた. 小形で単純な構造を持つ方形半ループ状電極を用いた模擬ESD発生装置を,FDTD計算用にモデル化し,Rompe-Weizelの火花抵抗則を用いてFDTD解析を行った.発生する電磁界と放電電流に関して妥当な計算結果が得られた. グランドプレーン上での測定だけでなく,自由空間で使用できる磁界センサとして,シールデッドループ構造の2出力磁界プローブを試作し,その複素アンテナ係数を決定するための公式を導いた.また,この公式に従って,複素アンテナ係数を求めて,送信アンテナをモノポールとしたときの波形再生を行い,理論計算結果と一致することを確認した.
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