研究課題/領域番号 |
17560252
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
高木 伸之 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80179415)
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研究分担者 |
渡邉 貞司 岐阜大学, 工学部, 教授 (20021595)
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20273120)
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キーワード | 最終雷撃過程 / ファイナルジャンプ / お迎えリーダ / コネクティングリーダ / 雷撃距離 / 雷遮蔽 / 雷撃進展撮影 |
研究概要 |
本研究では、現象の発生時間が短く発光が微弱である最終雷撃過程(この過程内で雷撃距離が決定される)が撮影可能な高速・高感度雷撃進展撮影装置を開発・制作し、世界最初となる一般的な落雷の最終雷撃過程の撮影を成功させることを目的としている。本年度は以下に示すように装置の製作と試験、および予備観測を行った。 1 雷撃進展撮影装置の製作 高速・高感度の新型雷撃進展撮影装置を制作した。雷放電路の発光を受光するデバイスには32素子マルチアノード光電子増倍管(旧型は16×16ピンフォトダイオード)を用いる。このデバイスの信号立ち上がり時間は0.6ナノ秒であり、十分な性能を有する。また、感度はこれまでに使用していた雷撃進展撮影装置ALPSの千倍以上ある。受光デバイスからの信号は微弱であるので、受光デバイス製作会社が提供している電流入力型プリアンプによって32素子別々に増幅する。その周波数帯域はDC〜50MHz(旧型はDCから5MHz)であり十分な性能を有している。ディジタル記録器は最大サンプリング速度40Mサンプル/秒(ALPSは10Mサンプル/秒)、分解能12ビット(ALPSは8ビット)、記録長2Mワード/ch(ALPSは16kワード/ch)、チャンネル数16(ALPSは256)である。これをLED光により性能評価を行ない当初の性能があることを確認した。 2 屋外観測 2005年12月1日から2006年2月10日まで石川県河北郡内灘町にある風力発電設備を観測対象とした冬季雷観測を行った。観測期間中7例の落雷を新型雷撃進展撮影装置で記録することに成功した。このうち1例は旧型雷撃進展撮影装置と同期がとれ、しかも電流の記録にも成功した。両装置の発光強度の高度別時問変化波形は大変よく似ており、十分に活用できることを確認した。また、旧型よりも時間的に早い段階で発光を記録しており、しかも立ち上がり時間が速く当初の性能を有していることが実際の観測でも確認できた。
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