1)理論解析からダイレクトトルクコントロール(DTC)についての検討:SRMのダイレクトトルクコントロールの原理について検討を行った。理論の導出だけではなくて物理的意味を明らかにし、直観的に理解するにはとても重要な知見であると同時に、新たな方法の提案にも役に立つものである。また、従来のIMとPMのDTCは回転磁束がほぼ一方法に進む(正弦波的)ように制御されているが、SRMのDTCは回転原理上の違いから磁束が必ずしも一方向に進むではないことを明らかにした。これは従来のモータとの大きな違いで、SRMにDTCを適用する場合、DTCの良さを生かすためにはとても重要なポイントになる。 2)循環モードの導入による新しいDTCの検討:DTCを用いるとリプルを抑えることができたが、スイッチング周波数が高くなる傾向がある。その改善策として、循環モードを励磁サイクルに入れる方法を提案した。これはSRM励磁回路と励磁方法の特徴を利用したもので、既存の駆動設備をそのまま利用することができ、コスト的な負担はない。 3)センサレスDTCの検討:SRMの基本的な駆動方法には位置センサーが必要である。それによりコスト、設置スペース、耐久性などの問題が出でくる。それでセンサレス駆動方法として、DTCの中で磁束を算出している利用して、磁束の位置から回転子の位置を推定する方法を提案した。これはDTCの機能を上手く利用したシンプルな方法となっている。 4)上記の解析の元に、シミュレーションモデルを構築し、1)〜3)で明らかにした原理や、提案した方法などについての有効性を確認した。
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