(1)モータ、駆動回路、制御回路を含めた実験システムを製作:制御系にはDSPを用いる部分とFPGAを用いる部分として構成した。これによりDSPとFAGAがそれぞれ単独の場合と両者分担の場合の実験ができるようになった。 (2)トルクリプル低減の検討:上記実験装置を用いて、前年度のシミュレーションによる確認された方法をDSPとFPGAに実装して、SRMの駆動がうまくできることを確かめられた。実際の電流波形がシミュレーションの波形に近い波形が得られ、理想電流波形によるトルクリプルを低減する方法の電流波形とも形がほど一致することが確かめられた。設備備品費で購入する変動トルク測定装置により、トルクリプルの低減がはっきりした形で確認することができた。これらの実験結果から、ダイレクトトルクコントローラの有効性が確認された。 (3)可変速度制御の実現:速度指令値から磁束の指令値を算出することが必要で、SRMが非線形が強いので、従来のモータのように算出することが簡単ではない。モータの磁気特性情報から速度と磁束指令値の関係をテーブル化することで、広範囲の可変速度制御を実現できた。 (4)ヒステリシスバンド幅と実行速度の関係について調べ、ある程度までバンド幅が狭くなってもトルクリプルの低減ができなくなることがわかり、サンプリング周期がもっと短くなることが要求される。 (5)センサレス駆動の検討:ダイレクトコントロールの考え方は位置情報、速度情報などが基本的になくても実現できるが、速度制御系を構成する場合は普通速度センサーが必要となる。しかし、現場ではセンサーを使わないことが強く求められる。そこで、ダイレクトコントロールの中で、磁束の回転情報を利用する方法を考案し、基本的な考察を行った。これらの考察は、今後高度な駆動する方法の開発にとても有用である。
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