研究課題
本年度は、大きく3つの課題について鋭意研究を進めた。第1は、バリヤ放電のモードをNO除去効率が高まると考えられるグロー状に制御する研究であったが、バリヤとしてアクリル樹脂を用いること、バリヤの温度を60から80度に高めることで、目標としたグロー状のバリヤ放電を再現性よく実現することができた。また、これらのバリヤ放電のギャップ間電圧の正確な測定、NO除去効率が最大1.7倍近く向上することなどを明らかにすることもできた。第2は、尿素水からアンモニアを発生させ、排ガスと混合し、バリヤ放電装置を通過させることによって、排ガス中のNOを効率よく除去できるかどうかの検証実験であった。装置全体の設計、性能設計を行い、アンモニアを発生させた結果、予定の約1/5のアンモニアの発生を確認できたが、NO除去性能は向上しなかった。引き続き、次年度にアンモニアの発生量の増大と触媒を併用した場合のNO除去実験を行う。第3は、排ガスの一部を吸気側に戻す排ガス再循環法の適用であったが、約12%までの排ガスの再循環で、エンジン出口のNOxは70%以上減少することを見出した。この後バリヤ放電によるNO除去を行うと、放電に必要なエネルギーは1/4以下に減少すること、また放電だけでは実現できない1/10以下の濃度まで、NOを除去できることを明らかにできた。さらに、再循環と放電を併用したとき、消費エネルギーが最小になる条件が、再循環率8から10%にあることを明らかにできた。以上、初年度の研究は、目標以上に進展することができ、多くの成果を学会で発表することができた。
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H18年電気学会全国大会 1-027
ページ: 2
H18年電気学会全国大会 1-071
放電学会 年次大会 C-3-6
Proceeding, International Conference on Plasma Chemistry ISPC-17
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電学会放電研究会資料 ED-05-83
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