研究概要 |
本研究のサブバンド間吸収を用いて光通信帯の光を光スイッチできる有用な量子構造を作製するため、巨大伝導帯オフセットをもつIII-V化合物ヘテロ構造材料を探索することである。V族元素をAsからSbおよびBiに変えて障壁層の伝導帯端、価電子帯端を井戸層の伝導帯端、価電子帯端に対してエネルギー的に持ち上げ伝導帯バンドオフセットを大きくもちあげられると期待される。また、(411)A基板上に成長することによりこの系で問題になっている界面ラフネスによる不均一幅の増大やV族混晶で問題となるミシビリティギャップの問題を小さくできることを狙っている。本年度、(411)A及び(100)InP基板上にAlAsSb/InGaAs/AlAsSb/基板 量子井戸、InAlAs/InGaAs/AlAsSb/基板 量子井戸、AlAsSb/InGaAs/InAls基板 量子井戸を作製し、その低温(12K)のPL半値幅からInGaAs on AlAsSb界面が量子井戸の不均一幅を決めていることを見出した。 またInAlAsSb/InGaAs/InAlAsSb格子整合量子井戸(Sb組成x=0.05,0.10)を(100),(411)A InP基板上に成長し、Sbの添加に対する界面ラフネスへの影響を調べた。その結果、10%までは、Sbの添加に対して、(411)A InAlAsSb/InGaAs/InAlAsSb量子井戸は、(411)A InAlAs/InGaAs/InAlAs量子井戸とほぼ同じ平坦な界面を有し、Sb添加に対して、ほとんど劣化しないことが明らかになった。
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