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2005 年度 実績報告書

水素とラマン分光を用いた薄膜型情報機器用ポリシリコンの高性能化

研究課題

研究課題/領域番号 17560284
研究機関島根大学

研究代表者

北原 邦紀  島根大学, 総合理工学部, 教授 (60304250)

キーワードポリシリコン / アモルファスシリコン / 粒界 / 欠陥 / 水素 / ラマン散乱 / 薄膜トランジスタ
研究概要

薄膜型情報機器用半導体として有望な薄膜トランジスタ(TFT)に着目し,その材料であるポリシリコンを研究の対象とした。ポリシリコンTFTを水素化処理すると欠陥が終端され,素子特性向上することが知られている。一方では水素が新たな欠陥を誘起する可能性がある。水素と欠陥の関係は,ポリシリコンを単なる結晶の集まりと見なすと理解しがたいものがある。ここではアモルファスとポリシリコンの特性を対比させながら研究することとした。
試料として,レーザ結晶化ポリシリコン薄膜を加えて,化学気相堆積(CVD)法により堆積したアモルファスシリコン薄膜とポリシリコン薄膜を用いた。これら薄膜中の欠陥検出にはラマン分光法を用いた。水素化処理すると欠陥部にSi-H結合が形成され,局在振動子モードとして検出できることを利用したものである。また,試料にAl電極を蒸着形成し抵抗抗率を測定できるようにした。試料の一部に対しては,水素・酸素濃度と欠陥および電気的特性の相関を調べるために二次イオン質量分析を行った。
高品質のCVDアモルファスシリコン膜の場合,ラマンスペクトルは2000cm^<-1>バンド(水素終端された点欠陥に相当)が支配的であり,水素量は欠陥に大きな影響を与えないという結果が得られた。しかし高濃度の酸素が取り込まれると、2100cm^<-1>バンド(ボイドに相当),O-SiHに相当すると思われる2150cm^<-1>バンドが検出され,あらたな欠陥が発生することがわかった。また抵抗率の増加が見られた。CVDポリシリコン膜の場合,光照射しながら水素化すると,アモルファスシリコンに見られるような光による欠陥増殖効果がわずかだが見られた。レーザ結晶化ポリシリコンの場合,水素化するとアモルファスシリコンと同様な2000cm^<-1>バンドが明瞭に検出された。また,化学エッチングにより粒界を除去すると2000cm^<-1>バンドの強度が低下した。これは2000cm^<-1>バンドが粒界部のアモルファス的な構造に起因したものとの予測を裏付けている。今後,詳細な評価を行うことにより,検証を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ラマン分光によるポリシリコン薄膜中の残留アモルファスと欠陥の評価2005

    • 著者名/発表者名
      松本晋, 井上祐介, 北原邦紀
    • 雑誌名

      平成17年度電気・情報関連学会中国支部題6回連合大会講演論文集

      ページ: 478

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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