研究課題
基盤研究(C)
太陽電池は地球温暖化対策および化石燃料の代替エネルギー源として近年特に注目されているが、一層の効率向上と低コスト化が要求されている。太陽電池の効率は一般的に反射損失、量子効率、表面および内部欠陥密度、直列抵抗に依存している。本研究では、反射損失の低減および表面、内部欠陥密度に焦点をあて、単結晶および多結晶シリコンウェハに対して反応性ガスを用いたドライエッチングによるテクスチャー化を行い、太陽電池の作製を行い、特性評価を行った。さらに、多結晶太陽電池に対しては水素化による特性改善を試み、特性評価を行った。テクスチャー化として全面エッチングを行った場合(マスクレス)、およびパターニングを施したマスクを形成後エッチング処理を行ってグループ状やハニカム状テクスチャー構造を形成した場合について、反射率の評価を行った。いずれの場合も反射率の低減が確認できた。さらにテスクテャ構造を有する単結晶シリコン太陽電池を作製したところ、マスクレスの場合を除き、反射率減少に見合った効率の向上が見られた。つぎに多結晶においてはバルク中欠陥密度が多いため、一般的にライフタイムが短く、短絡電流・効率とも小さいが問題がある。改良方法として、水素による界面やグレイン内のダングリングボンド終端を試みた。プラズマにより水素ラジカルを発生させ水素を供給するが、内部への水素拡散を熱処理のみならずバイアス電圧を印加し、内部電界を利用して促進させる方法などを試み、逆バイアス印加により、より低温で短時間に太陽電池特性が改善できることを明らかにした。
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