研究概要 |
平成18年度の研究実施内容は、光発電で電源が供給されるLSI回路を前提に、光信号受信回路に関する機能検証実験を中心に実施した。当該検証用TEGは、標準プロセスを用いてLSI回路と同時にチップ内に形成出来、しかも従来のCMOS回路に一切の変更を要求しないことを仕様目標としている。従って、本研究における光発電部は、CMOSプロセスにおけるソースドレイン工程で形成できる2種類のPN接合ダイオード(N-well内P+S/D, P-well内N+S/D)を光発電素子として用い、各々のwellノード同士を短絡させることで2つのダイオードを直列接続して、CMOS回路の駆動に十分な発電電圧(約0.8V)を確保する手法を用いる。また、本方式における光信号受信回路は、発電用光信号の変調(ON/OFF)を検知する回路構成とし、単一光源により電源の供給と信号の送信を同時に行うことを特徴としている。 検証用に試作したテストチップは0.35μmCMOS,1-poly,3-metalの標準プロセスを用いた。光受信部のダイオード面積を作振りすると共に、駆動用テスト回路として5bitカウンターを試作した。5bitカウンターのカウント信号を光信号で入力する実験で光発電・光信号駆動性能を評価した。これらの実験によって次の事項が明らかになった。 (a)光信号による入力によって5bitカウンターの正常駆動動作を確認した。 (b)光変調の割合が一定の場合、駆動可能周波数は光受信部ダイオードサイズに反比例する。 (c)平均照度900-1x(発電用光のON/OFF比30%)で31KHzの周波数動作を確認した。 次年度(平成19年度)は、光信号発信回路構成に関する検討と予備実験を進める。
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