研究:HDTV並のデータを帯域が極めて狭い伝送路でワイアレス通信するために、新しい発想に基づく動きベクトル検出アルゴリズムを開発した.つまり「動きベクトルが更新されない回数が、適応的に設定された回数に達したときに、動きベクトル検出を停止する」ことが出来るMEアルゴリズムを開発することができた.これにより信号処理量を大幅に削減することができた。この結果、動画像符号化プロセッサの消費電力を約20μWまで低減できた. 研究:前年度までに提案した各種リーク電流低減回路技術を改良して、LSIの待機時、動作時に合わせて適応的に制御できる回路技術を確立した.本回路を適用したSRAM、動きベクトルプロセッサを設計・試作・評価し、有効性を実証した. 研究:動画像符号化プロセッサ、SRAM、電圧・周波数適応制御回路、最小値検出回路、等の各個別回路の小型化、低消費電力化できる技術を確立した.また、機能面での飛躍的な充実を図った。これらの異種回路を統合化する時に必要な技術を確立した. LSIの設計・試作:上記を考慮して、動画像符号化プロセッサ、SRAM、電圧・周波数適応制御回路、最小値検出回路、等を90-nmCMOS技術を用いて設計・試作した. LSIの評価:試作したSRAM、電圧・周波数適応制御回路、最小値検出回路を評価した.消費電力はそれぞれ1.43μW、0.31μW、0.7μW、で、従来の0.5%に削減する事が出来た.
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