研究概要 |
周波数ひっ迫の折,高周波数帯での使用や周波数選択性機能を持つデバイス開発の必要性から,RF MEMSへの期待が高まっている.MEMSは可変機能を持つためその数値解析法は,まだ確立されていない.そこで,本研究ではその最適設計のための数値解析法を提案した.運動方程式とマクスウェルの方程式の連成系から加速度を求め,可動部をもっMEMSスイッチやアンテナについてシミュレーションを行い,バイアス電圧と可動部の振動について求め,より実際に近いデバイスのシミュレーションを行う.このように,ここで提案する移動境界適合座標系,MRTD法を用いて,それぞれの方法に適したMEMS構造体の解析を行い検証することで,RF-MEMS設計解析支援シミュレーション技術の確立を目指す.加速度と変位についての成果は、2005年4月IEEE/ACES2005, 2005年8月PIERS2005 (Progress of Imitational Electromagnetic Research Symposium), 2006年3月電子情報通信学会総合大会で発表し,2006年3月には論文誌ACES Journal (Applied Computational Electromagnetics Societyに掲載されている.また,周波数選択性アンテナの設計のためのRF-MEMSアンテナを提案し,その成果は2005年3月電子情報通信学会総合大会,2005年7月IEEE APS2005 (Antenna & Propagation Society), 2005年9月CEM-TD (Computational Electromagnetics in Time-Domain)で発表した.さらに,Over Set Grid Generationという手法を新たに電磁界解析に導入した.この手法は,ここで提案している移動境界適合座標系を用いた手法より簡単で移動距離が大きく取れるという特徴がある.この手法の基礎的な検証を行い,MEMSデバイスの数値解析に導入することを検討している.この成果は2005年11月電気学会電磁界理論シンポジウムで,2006年3月ACES2006で発表した.
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