本研究の目的は、(1)2アドレス方式による移動端末制御方式の確立、(2)2つのアドレスを用いて移動端末に通信チャネルを設定するための技術、(3)新モバイルネットワークとインターネットとの相互接続技術の開発である。 平成17年度は、上記の目的に沿って、初年度の研究を推進し、以下の実績を得た。 (1)2アドレス方式による移動端末制御方式を開発した。 a.新しいアドレス方式の開発 端末識別のための「ユニークID」とパケット(情報の塊)を宅配便のように目的の端末に届けるアドレス「経路制御アドレス」を分けた"2アドレス方式"を開発した。 b.端末の位置管理方式を開発した。 モバイルエッジルータ(MER)は新しい移動端末が現れていないかどうかを絶えず監視し、新しい移動端末を発見すると、そのユニークIDを取得し、経路制御アドレスと対にして、位置管理ノード(LMN)に登録するようにした。この方式によって、移動端末の位置とそこへの経路制御を可能にした。 c.階層的なアドレスによる高速経路制御方式を開発した。 アドレスを階層的に付与することによって、高速なルーティングを可能にする方式を開発した。 d.高速に経路制御を行うモバイルコアルータ(MCR)用ソフトウェアを試作し、動作を確認した。 (2)2つのアドレスを用いて移動端末に通信経路を設定するための技術を開発した。 a.端末位置の発見方法を考案し、実装した。 b.端末の移動に伴うパケット転送ルートの迅速な設定/切替え制御を実現した。 c.モバイルエッジルータ(MER)用ソフトウェアを試作し、動作を確認した。
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