研究課題
基盤研究(C)
高密度かつ大規模に分布したセンサーのためのアドホックネットワークを構築するために、本研究では、無線伝播範囲内の多数のセンサーノードから効率的な中継処理を行うノードを選出し、また多数のノードからなるネットワークを自律的に構築・再構築するための方式について検討した。平成17および18年度において下記の研究を実施した。1.無線伝播範囲内でなるべく離れた位置に存在するノードに中継処理を行わせる方式隣接ノードの情報を定期的に交換することにより、各ノードが2ホップ以内の無線伝播範囲に存在するノードの情報を入手し、それに基づき中継処理を行う代表ノード(以下ランドマークノードと呼ぶ)を選択する方法を考案した。具体的には、有線回線で接続されたセンサーノードから順に周りのランドマークノードを決定し、すべてのノードがランドマークノード経由で通信可能となるように、ランドマークノードを決定する。この方法をネットワークシミュレータにより評価したところ、高密度な場合においてもネットワーク全体のノードが限られた数のランドマークの隣接ノードとなっていることが確認できた。2.高密度かつ大規模なアドホックネットワークに適したルーチング方式この課題については、AODV(Ad hoc On-demand Distance Vector)ルーチングを拡張し、ノードの無線伝播範囲に多数のノードが存在するようなネットワークで、あるノードと離れたノードにのみRREQメッセージを再ブロードキャストすることにより、中継数の少ない経路を確立する方式を提案した。その結果、隣接ノード数の1/2から1/6程度のノードを用いて経路制御メッセージの転送が可能であり、ネットワーク上で転送される経路制御メッセージの累積数を、1/2から1/4に減少させることが可能となった。また、経路制御メッセージ総数と、宛先ノードで受信されたデータパケットの総数の時間的変化について比較を行ったところ、提案方式は従来に比べて、経路制御メッセージを3分の1程度に減少させ、データパケットロスを5%程度減少させることが可能となった。
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情報処理学会研究報告[モバイルコンピューティングとユビキタス通信] Vol.2006, No.98
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IPSJ Technical Report, MBL Vol.2006, No.98
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IEICE Technical Report CQ2005-5