研究課題
本年度の研究において、我々が対象とする複合誤りの基本形に関する距離、誤り、その誤りに対する符号の構成法、復号法についての英文発表がなされた。具体的には、複合誤りとして、ランダム誤りと長さ一定のバースト誤りの組合せを考慮した場合における、距離の概念、ここでは、複合距離という、を示し、その上で、それらの組合せの誤りとして、複合誤りを定義している。従来の研究では、我々が対象とする複合誤りに関する符号の構成法、復号法に対応する十分な研究はなされていなかった。本研究において、基本的な複合誤りに対する概念が明らかにされ、さらに、従来研究を含むかたちで一般化がなされていることで、従来のランダム誤りとバースト誤りの組合せに対する誤り訂正符号の統一的な考え方をすることが可能となった。他方、本研究の目標の一つとして、さらに、複合誤りの概念を一般化することで、より効率的な誤り訂正の概念を思案中ではあるが、複雑な組合せ論的な発想に偏りがちである。そこで、ランダム誤りを対象にした復号として、限界距離を越える誤り訂正が可能なリスト復号との関連についても調べることで、誤りの個数以外の特徴、性質を見出すことを考えている。その一つとして、MDS符号のリスト復号法およびその計算量の研究を行った。また、復号の効率化という視点から復号器のアークテクチャを考慮した高速復号法についての研究成果も発表された。最後に、近年、注目されるネットワーク符号化に関連して、複合誤りの概念が利用できないかという調査も行い、まずは、特殊なネットワーク上でのルーティングにおける性質を明らかにした。以上
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電子情報通信学会技術研究報告 情報理論 IT2005(3月掲載)
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