研究課題
本研究課題では、常に我々を写し続け受信者に細部まで伝えてしまう、いわば被写体の気持ちを完全に無視した従来の監視カメラとは異なり、映りたくない人は自動的に隠す、いわば見られる人の気持ちを反映するプライバシー・コンシャスなビデオ通信方式の開発を目的としている。具体的には、被写体がカメラに近ければ会話の意思有りとして受信側に被写体が100%写し出される(通常の映像通信と同じ)。一方、遠ければ会話の意思無しとして受信側からは見えない(透明人間)。更に、中間的な距離であれば被写体はその距離に応じて透明かつ不鮮明になる(半透明)。この状態では、被写体は「今、部屋に居るから用があれば声をかけて!」という意思が表明されており、受信側では「○○さんが部屋に居て、声をかけても良いらしい」と判断できる。このように、送受信者の気持ちに優しく働きかける一歩進んだ映像通信システムの開発を目指している。1年目である本年度の課題は以下の通り。ア)映像中から人物領域を抽出し、イ)カメラからの距離に応じて人物ごとの透明度を決め、ウ)必要最小限の情報のみを圧縮符号化・伝送し、エ)受信側で透明人間を映し出す方法を明らかにする。具体的には、符号化部のデータを画像認識部へフィードバックする手法として、符号化器の内部で生成される各種の信号、すなわち、JPEG2000におけるウェーブレット変換係数、EBCOTの係数モデリングの結果、ビットプレーン分解時の確率分布、といった種々の信号値を用いて、判別に効果的な特徴ベクトルの抽出法を実験し、得られた特徴ベクトルから各画素の位置(タイルの位置)が人物領域か否かの判定を下す判別方法を考案・開発した。研究の成果については、6件の学会発表と1件の特許出願として公表した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件) 産業財産権 (1件)
画像電子学会年次大会 05-41
ページ: 81-82
電子情報通信学会 第18回 回路とシステム軽井沢ワークショップ
ページ: 479-484
International Conference on Information, Communications and Signal Processing(ICICS) T2B.1
ページ: 696-699
情報処理学会第68回全国大会 2, 6M-6
ページ: 361-362
映像情報メディア学会技術報告 IST2005-27
ページ: 5-8
映像情報メディア学会技術報告,メディア工学研究会 ME2005-122
ページ: 63-64