研究課題
本研究課題では、ハイブリッド符号化方式の限界をうち破るために、3次元ウエーブレット変換を用いたCUBE形動画像符号化方式を示す。本研究では、時間相関を効果的に減少させるために、位相相関動き補償を導入し、複数枚の残差フレームをCUBEとみなした新しい3次元符号化アルゴリズムを提案する。初年度は、CUBE単位の動画像符号化方式の基礎的研究を行った。動画像のフレームを、IフレームとPフレームの2種類に分類し、Iフレームは静止画像と見なせるから、一般に用いられる2次元ウエーブレット変換(2DDWT)を行い、帯域内相関を利用したEZW-IPにより符号化する。これを参照フレームとしてPフレームの符号化を行う。以下に本年度に行った研究概要を示す。1)Pフレームの符号化と位相相関による動き補償:複数枚のPフレームに対して、1枚のIフレームを参照画像として動き予測・補償を行った。これにより時間方向の相関が低減できる。動き予測は膨大な計算量を必要とするブロックマッチングではなく、フーリエ変換に基づく位相領域で行った。すなわちあるフレームと参照フレームを高速フーリエ変換し、その位相差から、動きを予測する手法である。2)CUBE符号化:ウエーブレット変換されたCUBEをビットプレーンに分解し、上位ビットから符号化することによりプログレッシブな符号化が可能となる。この際分解されたビットプレーンも3次元のCUBEであるから、これを2次元のEZW-IPを新たに3次元に拡張した3次元EZW-IPを適用することにより、ビット制御が容易に行える。3)参照画像:動き補償を用いる場合には、参照フレームを必要とするため、参照フレームは復号側で復元されたフレームを用いないと、誤差が累積し、動画像に悪影響を及ぼすという問題がある。本方法では1つのCUBEを構成するフレーム全てが復元されるまで参照画像を用意できない。そこで復号化されたCUBEの最終フレームを次のCIBEに対する参照画像とした。
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13^<th> Europian Signal Proc.Conf., EUSIPCO2005