研究課題
基盤研究(C)
工学における「変化検出」は、興味の対象としている広い意味のシステム内部の突発的変化の検出を意味するのが一般的である。"突発的変化"は瞬時的あるいはデータ収集速度より遥かに速い変化を意味する。従ってこれはいわゆる適応推定とは異なる範疇の問題である。適応推定ではシステムのパラメータが緩やかに変化する場合である。変化が突発的であることは変化量が大きい事を意味しない。むしろ逆に変化量が小さい場合がチャレンジングである。工学で扱う問題ではデータに不確定性(雑音である事が多い)が含まれているのが普通なのでそのような枠組みで問題を捉える必要がある。優れた変化検出アルゴリズムは広大な応用を持つ。広い意味のシステムにおける故障検出、不正検出、動画像における場面変化検出、話者変化検出、医用データ変化検出、製品品質変化検出、環境データ変化検出、天候変化検出、地理データ変化検出、等々である。変化検出アルゴリズムは大きく分けて二つのクラスに分けることができる。ひとつはモデル準拠型、そしてもうひとつはデータ準拠型である。前者では対象としているシステムを既述する方程式が分かっている場合、後者はそれが分からない、あるいは原理としては方程式導出が可能なはずであっても現実には極めて困難な場合であって、得られたたデータのみから変化を検出しようとする手法である。この研究では尤度のシステムパラメータ依存性は未知、かつとり得る値は有限個に限らない場合を考える。各時刻における「周辺尤度」を「逐次モンテカルロ」手法(粒子フィルタ)で計算し、周辺尤度の変化によりシステムの変化をオンラインで検出しようとするものである。1年目は基本アルゴリズム構築と非自明な数値実験でその有効性を検証した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
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