| 研究概要 |
高能率アンテナに必要不可欠である開口分布の一様化およびスロット間相互干渉の低減の実現のため、アンテナの放射スロット前面に小誘電体球(レンズ、etc.)を装荷し、周波数11.8GHz〜12.2GHzにおいて、実験的に検討した。これらの実験を進めつつ、過年度からの継続研究項目でもある
○スネーク導波路の曲がり部の位相調整
○給電回路のビスによる整合と効率化
○誘電体球を装荷した試作アンテナの開口面電界測定用のX-Yスキャナーの構築及び開口面分布測定
等についても、並行的に検討した。アンテナ本体については、誘電体球およびアンテナカバーを兼ねた誘電体平板をも含んだ導波管一本のアレーアンテナのビスによる整合を試み、スロット単体に対するビスの整合に加えて、アレーの場合の残留による反射波をも含めた整合について検討した。周波数11.8〜12.2GHzの範囲において、誘電体球を22個装荷した場合においても、定在波比を最大1.1程度に抑え得る結果が得られた。
今後の課題として,(1)給電回路をも組み合わせたアンテナ全体の利得測定を行う,(2)現在の状態においては、アンテナの終端を無反射終端としているが,終端を短絡した場合の整合をとる,(3)さらに細かく、スロットの存在および整合用ビスの存在による管内波長の修整を考慮した導波路の設計を行う,(4)周波数特性を改善すること,等が挙げられる。現在、標記アンテナの特性測定のために、電波暗室内に設置されたコンパクトレンジの平面波領域の拡大(50cm〜60cm)に関する検討も併せて行っており、今後予想されるアンテナ開口面積増大、への対応についても検討中である。
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