研究概要 |
データ伝送容量の最近の拡大要求に対して、無線での広帯域化は電波許容上困難で、多値変調(信頼度低下)やマルチコード化(実効チャネル数低減)による当該チャネルの高速化が行われている。本研究では、逐次適応的な速度制御を行うことによるシステム全体のデータ伝送の実質的高速化の実現について研究を行った。 本研究は、急速に需要が高まりつつある無線情報通信において、そのデータ伝送速度の高速化のため、各無線チャネルの速度を適応的に制御して、必要に応じた無線伝送速度を与える適応伝送速度通信システムを構築する基本技術を創出することを目的として研究を行った。 (1)方式研究 本研究では具体的にW-CDMA方式を選び、可変速度を実現するために以下の研究を行った。無線帯域幅5MHzとし、データ速度として64,128,256,512kbit/s,および1.024Mbit/sを選び、実用的条件下での伝播特性をコンピュータシミュレーションによって評価を行った。 (2)プロトタイプモデルの試作と特性評価 上記の成果を基に、FPGAを用いてW-CDMAの方式を構成した。ソフトウエアによって設計パラメータを用意に変更することができ、また特性評価モニタをPC上に開発した。これにより方式上の成果を具体的なハードウエアで確認できた。
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