研究概要 |
科学衛星上で自律的にデータの選別、圧縮を行なうコンパクトかつ処理負荷が軽い超小型デジタル電波受信器の基礎技術について研究した。具体的な検討内容と成果は以下の通りである。 1)各種データ圧縮アルゴリズムの既存計測データを用いた比較研究と定量評価 「あけぼの」「かぐや」衛星による実観測電磁波データを用い,限られたテレメトリ容量下で,可逆圧縮と単純平均の併用より,重要情報の損失や歪みが少ない非可逆圧縮法を提案した。 2)計算負荷の見積もりと機上のデータフローの実現評価手法の検討 電磁界センサで得た広帯域波形データをCPU上で周波数解析するための最適な処理手順を検討し,現状の宇宙機用CPUで処理可能な最適手順を示した。 3)データ選別、自動抽出機能に関する技術的課題の検討 「かぐや」衛星に搭載したデジタル電波受信器に実装した自動データ選別機能の性能を検証し,適切な選別基準を設定することで限られた伝送テレメトリ帯域で有用データが効率的に取得できることを示した。
|