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2006 年度 実績報告書

高速電磁界計算法の適用による脳神経活動の磁気共鳴画像・脳磁図統合計測法

研究課題

研究課題/領域番号 17560371
研究機関京都大学

研究代表者

濱田 昌司  京都大学, 工学研究科, 助教授 (20246656)

研究分担者 小林 哲生  京都大学, 工学研究科, 教授 (40175336)
キーワード電磁界計算 / fMRI / MEG / 表面電荷法 / 高速多重極法 / ボクセルモデル / 統合解析法
研究概要

(1)MEG順計算法:脳神経電気活動を等価電流ダイポールで表現した際の脳磁計測値(コイル鎖交磁束数)の順計算法を整備した。「等価電流ダイポール→境界上ポテンシャル→磁束数」の順に計算する方法(方法1)と、「交流コイル電流→誘導電界→Eatonの相反定理→磁束数」の順に計算する方法(方法2)とが選択できる。7球頭部モデルの極変換付き等価多重極モーメント法解析を実施し、両手法の計算値が倍精度限界程度で一致することを示した。ダイポール配置点数をV、コイル数をMとして3VM個の値を得るには、方法1と2で各々3V回、M回の計算を要し、方法2の優位性が確認された。
(2)ボクセルデータ用高速多重極表面電荷法の精度評価:(1)より「交流コイル電流→誘導電界」の計算を行えばMEG順計算が可能であり、この計算精度をボクセルデータ用高速多重極表面電荷法について検証した。7球頭部モデルに対して極変換付き等価多重極モーメント法解析とボクセルデータ用高速多重極表面電荷法解析とを行い、灰白質領域での後者の電界精度を評価した。結果、ボクセルサイズが1mm、0.5mm、0.34mmの各ケースで、電界誤差ベクトルの標準偏差は1.4%、0.98%、0.81%(灰白質内最大電界で規格)となった。なお、ボクセルサイズが0.34mmのケースで、全ボクセル数、表面電荷要素数、計算時間はそれぞれ106,575,801、4,936,874、59分39秒となった。人体詳細ボクセルモデル解析時の計算精度は直接検証不能だが、概算で7球モデルのケースに近いと考えられる。また、日本人成人男性全身ボクセルモデル(2mmボクセル)の電界計算時間を100分にまで短縮した。
(3)fMRI・MEG統合解析法:サーバスの式を用いたfMRI・MEG統合解析法について、報告者らは従来、最小二乗法を変則的に使用する逆計算手法を用いていたが、今回はアダプティブビームフォーマを用いて同様の解析を行った。両手法による解析結果には一長一短があることが分かったが、同時に、線形制約付きアダプティブビームフォーマとして定式化した後にノンアダプティブ化した式が、従来使用していた方法と同一の式となることが判明し、従来法の理論的位置付けが明確になった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 極変換付き等価多重極モーメント法の脳磁界順計算への適用2007

    • 著者名/発表者名
      濱田昌司, 北野允大, 小林哲生
    • 雑誌名

      電気学会論文誌A Vol. 127, No. 4

      ページ: 171-179

  • [雑誌論文] Analysis of electric field induced by ELF magnetic field utilizing generalized equivalent multipole-moment method2006

    • 著者名/発表者名
      Shoji Hamada, Osamu Yamamoto, Tetsuo Kobayashi
    • 雑誌名

      Electrical Engineering in Japan Vol. 156, No. 2

      ページ: 1-14

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] ボクセルデータ用高速多重極表面電荷法による低周波磁界誘導電界計算2006

    • 著者名/発表者名
      濱田昌司, 小林哲生
    • 雑誌名

      電気学会論文誌A Vol. 126, No. 5

      ページ: 355-362

  • [雑誌論文] 任意周波数ダイポール磁界印加時の導体球内誘導電界の解析式2006

    • 著者名/発表者名
      北野允大, 濱田昌司, 小林哲生
    • 雑誌名

      電気学会論文誌A Vol. 126, No. 7

      ページ: 725-726

  • [雑誌論文] fMRI-MEG統合解析への線形制約付きアダプティブビームフォーマの適用に関する検討2006

    • 著者名/発表者名
      大橋俊平, 隠浪康行, 鄭址旭, 濱田昌司, 小林哲生
    • 雑誌名

      生体医工学 Vol. 44, No. 4

      ページ: 722-727

  • [図書] 理工学講座 数値電界計算法の基礎と応用2006

    • 著者名/発表者名
      宅間董, 濱田昌司
    • 総ページ数
      284
    • 出版者
      東京電機大学出版局
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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