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2005 年度 実績報告書

色聴現象の客観的計測-映像と音楽のノンバーバルマッピングの提案-

研究課題

研究課題/領域番号 17560382
研究機関関西学院大学

研究代表者

長田 典子  関西学院大学, 理工学部, 助教授 (50368453)

研究分担者 井口 征士  宝塚造形芸術大学, メディア・コンテンツ学部, 教授 (90029463)
杉尾 武志  同志社大学, 文化情報学部, 専任講師 (60335205)
キーワード色聴 / 共感覚 / fMRI / 色知覚 / 音楽 / 映像 / インタラクション / コマーシャル
研究概要

「音を聴くと,色が見える」という現象は「色聴(colored hearing)」と呼ばれており,心理学の分野で共感覚(synesthesia)の1つ,すなわち1つの感覚が本来独立であるはずの別の感覚を喚起する非常に興味深い現象として知られている.本研究では,色聴現象を客観的に計測するとともに,色聴のない一般人に対しても色聴を利用して調和の取れた映像音楽コンテンツを提供することを目的に,以下の課題を実施した.
1.fMRIによる色聴現象の計測
色聴保持者において音楽視聴時に実際に色知覚に関与している脳内領野で活動が生じているかをfMRIを用いて計測した.実験はブロックデザインで行われ,目を閉じた色聴保持者に対して音楽,音階等の呈示が行われた.色知覚に関わるV4/V8のROI分析の結果,色聴保持者のみ音楽及び音階の呈示時に有意な活動がみられた.このことは,色聴が聴覚系と視覚系の直接的な相互作用により生じていることを示唆している.
2.メディアコンテンツにおける映像と音楽の関係の解析
音楽と映像を用いたメディアコンテンツにおいて,映像のイメージに合う音楽であるとか,逆に音楽に合う映像によって互いの印象が強調されているといったイメージの相互作用が,どのような音楽と映像の要素から生じているのかを,映像音響メディアの典型であるテレビCMを題材にして解析を行った.解析結果では,映像と音楽が主に(I)「激しい-落ち着いた」と(II)「日常的-高級感」の軸に則った規則性を持ち,また特に色のカテゴリに関して(II)軸に「鮮やかな-モノトーン」が布置するなどの傾向を得た。さらに自動車メーカは高級感を指向した表現形態を採るというように,CMと広告主のイメージとが深く関わっていることも定量的に示された.これらの分析結果はマルチメディア作品の創作支援システムや評価ツールへ応用展開することが考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] CMにおける映像と音楽のインタラクション2005

    • 著者名/発表者名
      高島杏菜
    • 雑誌名

      情報処理学会関西支部大会講演論文集 A-10

      ページ: 37-40

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] CMにおける映像と音楽のインタラクション2005

    • 著者名/発表者名
      高島杏菜
    • 雑誌名

      電気学会研究会 IP-05-03

      ページ: 13-18

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Non-verbal Mapping between Sound and Color2005

    • 著者名/発表者名
      Nagata, N.
    • 雑誌名

      Entertainment Computing-ICEC2005, Lecture Notes in Computer Science 3711

      ページ: 401-412

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Quality of Multimedia Contents-Interactions between Pictures and Music of TV Commercials-2005

    • 著者名/発表者名
      Takashima, A.
    • 雑誌名

      Proc.7th International Conference on Quality Control by Artificial Vision

      ページ: 329-334

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] fMRIによる共感覚計測:色聴者の音楽視聴時のV4/V8活動2005

    • 著者名/発表者名
      横井真一
    • 雑誌名

      日本認知心理学会第3回大会講演論文集

      ページ: 11-11

  • [図書] Entertainment Computing-ICEC 2005, Lecture Notes in Computer Science 37112005

    • 著者名/発表者名
      Fumio Kishino編
    • 総ページ数
      538
    • 出版者
      Springer-Verlag

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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