研究概要 |
今年度は主に以下の項目について研究を行った。 (1)デュアルドップラーレーダを用いた3次元降雪プロファイルの測定 降雪粒子観測塔の付近に設置した2台のドップラーレーダを用いて、降雪雲、降雪粒子からの電磁波反射エコーを解析した。地上付近から高度千数百mまでの下層大気圏下の電磁波反射エコーを測定し、高度ごとの電磁波スペクトル解析を行った。 (2)画像処理手法による降雪粒子の雪質測定 地上付近を落下する降雪粒子の雪質と形状、落下速度、密度および降雪強度等の物理量の両方の測定を行った。降雪粒子映像をコンピュータに取り込み、画像データから降雪粒子の形状および落下運動を解析して、降雪粒子の粒径、落下速度、空間数密度および密度等の物理量測定を行った。 (3)(1),(2)の同期計測システムの構築と運用 (1)および(2)の同期計測システムを作成して冬季期間連続測定を行い、種々の降雪現象のデータベース化を行った。 (4)高度ごとのレーダ反射因子の相関解析 高度間のレーダ反射因子の相関解析により、単位落下時間が高度により直線的に変化することがわかった。これにより高度1000m以上での上空のレーダ反射因子から、地上に到達するまでの時間を推定することが可能となった。 今後、本研究を進めることにより、高度ごとのレーダ反射因子から地上付近での雪質および降雪強度を推定することが期待できる。
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