研究概要 |
現在システム制御理論の研究では,実用的な複雑さをもつ制御問題をいかに効率的に解くかについて,画期的なアイデアが求められている.ランダマイズドアルゴリズムとは,実行過程にランダム性を導入し,計算効率の向上を図るものである.本研究では, 1.実用的な複雑さをもつ制御システムの設計: (a)コスト保証型レギュレータ設計、(b)固定次数コントローラ設計。 2.ランダマイズドアルゴリズムの特徴づけ: (c)確率的双対性、(d)ランダマイズドアルゴリズムが有効な問題のクラスの明確化。 3.確率的解析法の応用: (e)モデル集合解析、(f)同定と制御を統合する枠組み。 に取り組み,ランダマイズドアルゴリズムによる制御システムの解析と設計をどのように定式化し,どのようなアルゴリズムを考え,どこにランダム性を導入すれば、実用的な複雑さをもつ制御問題を効率的に解けるかを研究している. 平成18年度は、特に(a)(b)(d)について進捗があり,コスト保証型レギュレータの確率的設計について雑誌論文として発表するとともに,前年度に基礎的知見を得た固定次数コントローラ設計のための確率・確定混合型アプローチのH∞制御への拡張を行い,国際会議にて発表した.また,国際会議(MTNS2006)にて関連するオーガナイズドセッションを企画し,現時点での研究成果のまとめを発表するとともに,確率的設計の有効なロバスト制御問題のクラスについての研究発表を行った.
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