研究概要 |
現在システム制御理論の研究では,実用的な複雑さをもつ制御問題をいかに効率的に解くかについて,画期的なアイデアが求められている.ランダマイズドアルゴリズムとは,実行過程にランダム性を導入し,計算効率の向上を図るものである.本研究では,1. 実用的な複雑さをもつ制御システムの設計:(a)コスト保証型レギュレータ設計、(b)固定次数コントローラ設計。2. ランダマイズドアルゴリズムの特徴づけ:(c)確率的双対性、(d)ランダマイズドアルゴリズムが有効な問題のクラスの明確化。3. 確率的解析法の応用:(e)モデル集合解析、(f)同定と制御を統合する枠組み。に取り組み,ランダマイズドアルゴリズムによる制御システムの解析と設計をどのように定式化し,どのようなアルゴリズムを考え,どこにランダム性を導入すれば、実用的な複雑さをもつ制御問題を効率的に解けるかを研究して来た. 平成19年度(計画最終年度)は、特に(b)(d)について進捗があり,固定次数コントローラ設計のための確率・確定混合型アプローチについて雑誌論文をまとめるとともに,複数の制約をもつ制御問題,非凸制約を持つ制御問題,その中で特に凸制約の和で書けるような非凸制約を持つ切替制御系の設計問題などを対象に,雑誌論文をまとめた. また,国内会議(第51回システム制御情報学会研究発表講演会)にて,本研究に関する招待講演を行う機会があり,これまでの研究成果を紹介した.
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