研究概要 |
自分自身で食事ができない高齢者や運動障害者が食事を行う際には,介護者が本人の希望を聞いて,食べたいものを口元に運んで食べさせる.このように介護者が患者に食事を食べさせるには,患者ひとりに介護者ひとりがつきっきりとなる.また,患者の立場からは,介護者に食べたいものや分量を伝える必要があり,自分の思ったような食事はしにくい.そこで,患者が介護者の手助けを借りることなく食事を行なえることが望ましい.本研究では,患者自らの腕を用いて食事を行うことができる食事動作支援ロボットを開発する. 本年度の食事動作支援ロボットの開発に関する研究成果は以下の3点である. 1.食事動作支援ロボットの制御系 食事動作支援ロボットはヒトの腕をアームが支えて食事を行わせるため,安全性を配慮して,運動障害者に食事動作支援装具が無理な力を加えることのないような制御法の開発を行った. 2.食事動作支援ロボットの軌道生成 食事動作支援ロボットが適切に食事をすくい取ることができるように,画像情報を用いて食事動作支援ロボットの動作目標位置を決定する方法を開発した. 3.食事動作支援ロボットの機構の改良 運動障害の程度によっては,食事をするためには手首の動作も支援する必要がある.そこで,手首の動きですくい取る動作を補助する回内回外補助装具を開発した.
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