研究課題
基盤研究(C)
米国国債のフォーワードレート過程モデルのオンライン同定を、従来の線形カルマンフィルターと粒子フィルターを組み合わせることにより、オンラインで行う手法の開発に従事した。具体的には、初めの2年間で新たに期間構造モデルとして放物型変微分方程式のモデルを提案し、その有用性を検証した。さらに実データを用いて、基間構造過程の推定には、そのモデルに含まれるパラメータ値を固定したカルマンフィルターから推定候補値を算出し、実際のパラメータ推定と基間構造過程の推定には、粒子フィルターのアルゴリズムを適応した。粒子フィルターのアルゴリズムは、未知パラメータの候補値を乱数で多数発生し、事後確率である尤度関数を用いて、推定値を更新するアルゴリズムであるが、このアルゴリズムは従来では大型計算機でのみ実現可能であったが、近年のCPUの演算速度の飛躍的な高速化により、ノートPCでも実現可能により、この研究で開発したアルゴリズムも十分実用に耐えることが検証できた。理論的な成果としては、粒子フィルターアルゴリズムは事後確立の退化現象が生じることが報告されており、この回避のために人工的な雑音を、実観測データに付加するような手法が従来提案されているが、実用面上得られた観測データにわざわざ雑音を付加することは好ましくなく、この研究においてはresampling(再サンプリング)の手法を使用して、退化現象をくいとめる方法を考案した。
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (13件)
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