研究概要 |
舗装のアスコン層の弾性係数は,その温度により大きく変化することが知られている.昨年度に引続き研究を進めた.(独)土木研究所 寒地研究所(前開発土木研究所)が稚内市の舗装試験サイトでFWD試験とその温度計測を6月,8月,11月に行っており,そのデータを用いてFWD試験を行っており,そのデータを逆解析して求めたアスファルト混合物層の弾性係数とその温度を整理し,アスファルト混合物層の温度依存モデルを構築した.データ数は昨年より飛躍的に増加しており,結果の信頼度を飛躍的に高めることができた. アスコン層内部の温度を予測できることが重要である.また,アスコン層内部の温度は,気象の変化,舗装を構成する材料の熱特性値の影響を大きく受ける.昨年度気象データを用いて熱特性値を推定する方法を開発し,測定データからアスコン層,路盤,路床の熱容量,熱伝導係数のような材料の熱特性を求めている.舗装の温度を精度良く推定するため大気の放射モデルを検討することが重要であることが明らかになり,国内外の研究を整理し,東京電機大学鳩山キャンパスで測定している大気放射量と比較して適切なモデルを開発した. 現在,FWD試験のたわみのピーク値から舗装を構成する各層の弾性係数を推定しているが,研究代表者のグループはFWDが衝撃載荷試験であることを考慮して動的に逆解析を行う効率的な方法を開発している.従来の方法では逆解析により層の弾性係数と減衰係数を推定できたが,さらに改良を加え密度を推定する方法を開発している.現在,逆解析が可能となっているが,アルゴリズムの信頼度については今後とも改良を加える必要がある.
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