研究分担者 |
一井 康二 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70371771)
盛川 仁 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60273463)
本田 利器 東京大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60301248)
飛田 哲男 京都大学, 防災研究所, 助手 (00346058)
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研究概要 |
今後30年以内に高い確率で発生すると考えられている東海・東南海・南海地震等の海溝型地震に対する対策を適切なものとするため、海溝型地震のやや長周期成分の不確定性を考慮した沿岸域防災施設の耐震性能評価法について検討を行っている.平成17年度は,沿岸地域における地震動予測の基礎資料とすべく,沿岸域での強震記録の収集整理を行った.また,観測された地震波に対して,スペクトルインバージョン手法を適用し,震源特性・伝播経路特性・サイト特性の分離を行った.その結果,我が国の沿岸部では,大局的に見ると,内陸部よりも長周期の地震動が増幅されやすい傾向にあることがわかった.これは,沿岸部では内陸部に比べ堆積層が厚い傾向にあることを反映したものであると考えられる.我が国を代表する強震観測網として防災科学技術研究所のK-NETがあり,全国をおよそ20kmメッシュでカバーしているが,本研究でとりまとめている沿岸部での強震観測地点での記録と,最寄りのK-NET観測点における記録を比較すると,対象とする周波数によってはフーリエ振幅が10倍程度異なることも珍しくない.従って,今後,沿岸部において地震災害対策を合理的に推進していくためには,防災対策のキーとなる地点において,短期間でも地震観測を実施し,対象地点における地震動の増幅特性を把握する必要があると考えられる.この他,平成17年度は,上述のサイト増幅特性を利用し,実際に発生した海溝型巨大地震であるところの1968年十勝沖地震や2003年十勝沖地震の強震動シミュレーションを実施し,震源のモデル化手法について検討を加えた.また沿岸地域において顕著である地盤の非線形応答を踏まえた数値解析手法の高度化に関する検討を行っている.
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