研究課題
修正カムクレイモデルに上負荷面と下負荷面を導入し、さらにKo圧密された自然堆積地盤に拡張した橋口モデルを用いて、地震等で発生する繰り返しせん断における砂地盤の力学特性をシミュレートした。いくつかの弾塑性構成モデルをもちいてそれぞれの利害得失を理論面ならびに数値解析面の両方で比較検討した結果、最終的に橋口モデルが使いやすいとの結論に達したものである。特殊な工夫を施して砂地盤から採取した不撹乱の砂試料を、数メガPaの高圧で圧密したのち一連の定体積3軸試験に供することにより、高圧下での砂の力学特性を実験的に調べた後、力学特性の構成モデルへの適合性を確かめた。しかるのち現場におけるN値から構成モデルに必要とされる物性パラメータを求める手法の開発に着手し、ほぼ妥当と思われる成果を得た。得られた手法の実務への適用性を調べるため、砂地盤において施工された土留め掘削工事の動態解析を実施したところ、鋼製矢板に発生するモーメントならびに土留め工の変形が動態計測の結果と整合するかたちで得られた。これにより、N値しか実質上得られないことが多い砂地盤の物性パラメータを、工学的に有用な精度でもって推定することが可能であることが示された。また西垣らが1974年と1980年に発表しているにもかかわらず、その後特に注目されるに至らなかったN値と不撹乱砂の非排水強度との関連の重要性が、改めて明らかになった。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
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