研究分担者 |
日下部 治 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (40092548)
竹村 次朗 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (40179669)
桑野 二郎 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 教授 (30178149)
井澤 淳 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (70345388)
飯塚 敦 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (40184361)
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研究概要 |
弾塑性構成モデルのなかから,世界的に見て最も広く使われているオリジナル・カムクレイ・モデルと修正カムクレイ・モデルをKo圧密された自然堆積土に対して拡張したうえで,さらに橋口ら(1998)が提案した拡張下負荷面と浅岡ら(2002)らが提案した上負荷面を適用することにより,繰り返しせん断に対応できる構成モデルを作りあげ,両者の利害得失を理論面ならびに数値解析面の両方で検討した。両者ともにそれぞれ長所・短所があるため,両者を包含するような一連の構成モデルをあらたに考案し,各種の土に対する適用性を検討した結果,良好な成果を得た。 修正カムクレイモデルに上負荷面と下負荷面を導入し、さらにKo圧密された自然堆積地盤に拡張した橋口モデルを用いて、地震等で発生する繰り返しせん断における砂地盤の力学特性をシミュレートした。いくつかの弾塑性構成モデルをもちいてそれぞれの利害得失を理論面ならびに数値解析面の両方で比較検討した結果、最終的に橋口モデルが使いやすいとの結論に達したものである。 特殊な工夫を用いて砂地盤から採取した不撹乱の砂試料を高圧の定体積3軸試験に供して,その力学挙動の構成モデルへの摺合性を実験的に確かめるとともに,現場におけるN値との相関を求めるべく作業を実施した。西垣ら(1974, 1980)が指摘するようなN値と砂の力学的関連性の存在の有無を確認することがネライであり,また非可逆比が限界状態パラメータの対数で示されるとする研究代表者らの仮説の妥当性を確認することも、目的の一部である。 仮説として考え出した砂地盤の力学パラメータ推定法の実務への適用性を調べるため,砂地盤に対して実施された掘削工事の動態解析を併行して実施したところ、鋼製矢板に発生するモーメントならびに土留め工の変形が動態計測の結果と整合するかたちで得られた。これにより、N値しか実質上得られないことが多い砂地盤の物性パラメータを、工学的に有用な精度でもって推定することが可能であることが示された。また西垣らが1974年と1980年に発表しているにもかかわらず、その後特に注目されるに至らなかったN値と不撹乱砂の非排水強度との関連の重要性が、改めて明らかになった。 解析結果と現場計測結果との妥当な整合性を把握すべく,各種のパラメータ推定法を仮定して比較検討する作業を実施したが,動的解析に必要な計算精度を得るための陰解法の開発もあわせて進めた。
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