研究課題
基盤研究(C)
本研究では、東京都心部を対象として、明治中期以降の旧版地形図をラスターデータとしてデジタルアーカイブ化を行なった。加えて、地形改変の分析を行うために、標高点、等高線、水涯線を抽出し、デジタル地形モデルのアーカイブ化を行った。アーカイブデータの精度等を検討することにより、特に詳細な地形が描かれている五千分一東京図測量原図(1886-87年発行)から作成したデジタル標高モデルと、航空レーザスキャナ測量により作成された数値地図5mメッシュ(2003年刊行)との差分を算出し、その差分の大きな箇所を地形図の時系列比較により網羅的に調査するという地形改変の抽出方法を提案した。提案した地形改変の抽出法を用いて、836箇所の地形改変を抽出し、その全てを地形改変の起こった年代、土地利用の変化、地形変化の形状という3つの軸に関して分類した。その結果、東京の地形改変には以下の特徴があることを明らかにした。まず第一に、最も盛んに地形改変が行なわれたのは、1884年から1909年の間であった。次いで関東大震災の復興期である1925年から1930年の間、さらに戦後の高度経済成長期である1956年から1983年の間の順に多くの地形改変が見られた。第二に、地形改変の要因となった土地利用変化は、圧倒的に宅地造成が多かった。また、東京市区改正計画や帝都復興計画による道路建設など、都市計画に基づく地形改変も見られたものの、特に多く見られたものは個々の私的な開発であった。第三に、湾岸部だけでなく、内陸部においても水域の埋め立てが非常に多く行なわれた。また、陸域においては、斜面地に対して盛土・切土を行なうことにより、利用可能な面積を増加させる改変が特に多く見られた。以上の通り、本研究では歴史研究におけるデジタルアーカイブの有用性を示すとともに、地形改変の観点からみた東京の変化を追跡し、東京の姿を再認識した。
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すべて 雑誌論文 (12件)
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