研究課題/領域番号 |
17560484
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
細見 正明 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (90132860)
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研究分担者 |
中井 智司 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80313295)
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キーワード | 飼料イネ / 富栄養化 / 窒素除去 / バイオマス / 資源循環 / 表面流れ方式 / 浸透流れ方式 / 内分泌撹乱物質 |
研究概要 |
室内実験では、主に浸透流れ方式と表面流れ方式による窒素の除去能力とバイオマス生産について比較していた。その結果:窒素除去について、模擬河川水と畜産排水系の浸透流れ方式が表面流より窒素除去率が高かった。イネを植生したほうが植生なしの系より窒素除去率が高くなった。バイオマスについて、表面流よりも浸透流のバイオマス生産量が大きくなり、部位別の重量では浸透流の方が根の重量が大きくなった。バイオマス生産量は畜産排水系の浸透流が最も高くなり、刈り取って飼料として利用できる地上部のバイオマスは3.0kg/m^2であった。吸収した窒素は浸透流系においては80%以上、表面流の系においては90%以上地上部に含まれるため、刈り取って飼料として回収・利用することができる。また、飼料イネを植栽した黒ボク土へ女性ホルモンを含む畜産廃液を流入させた結果、流入水のEstrone(E1)が10μg/L、17β-Estradiol(E2)が6.4μg/Lであったのに対し、各浸透流流れ実験系の流出水には女性ホルモン濃度は2.0μg/L以下であり、それぞれ80%と69%を除去したことがわかった。 現地実験において、飼料イネを植えた汚濁した河川水の浄化施設では、窒素除去は主に脱窒反応と飼料イネの吸収によるものことがわかった。植栽期間中の平均窒素除去速度は175mg/m^2・dになる。また、窒素挙動を調べた結果より、浸透ない表面流れ方式では、飼料イネに吸収された窒素は河川水由来のものほか、一部は土に含まれる窒素であることがわかった。さらに、平均飼料イネバイオマス生産量は2.4kg/m^2になり、窒素含有量は34g/m^2になる。このようにして、飼料イネの栽培による水質浄化は水環境中の窒素が飼料イネを通じて、家畜に利用することで、農村地域の物質循環を改善できるようになると考えられる。
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